ハイドリヒを撃て「ナチの野獣」暗殺作戦
台所からご飯の用意が出来たよと呼ぶと、シーは引き戸の隙間から顔だけを覗かせてじっと私を見つめます。舌を少しだけ出しています。
その顔がどれほど愛らしいかは愛犬家ならわかるはずです。
シーはたびたび舌を少しだけ出します。
もうお得意の顔です。
なぜそうするかはわかりません。
なぜなの?
今回紹介するのはハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦です。
ナチスNo.3ハイドリヒの暗殺事件の実話に基づく映画です。
チェコはナチス・ドイツに占領されます。そしてヒットラーはポーランドに侵攻し第2次世界大戦が勃発しました。
チェコの軍需工場はドイツでの重要拠点。
しかし抵抗組織の妨害を受け、ヒットラーは彼らの抹殺を親衛隊大将に命じます。
その男はラインハルト・ハイドリヒ。
残念な方法で殺害を続けたため、プラハの虐殺者と呼ばれました。
深夜雪が積もっている森の中へパラシュートで2人の男が降下しました。1人は樹の枝で足を怪我してしまいます。
ヨゼフとヤンです。
なんとかプラハの街にたどり着いた2人は、反ナチスの抵抗組織と接触します。
そしてロンドンの亡命政府より命じられた任務を彼らに伝えます。
エンスラポイド作戦。
無謀にもナチスNo.3のハイドリヒの暗殺計画でした。
戸惑う抵抗組織にヨゼフは言います。
愛国者なら 国のために命を落とす覚悟が必要だ
抵抗組織インドラの幹部ハイスキーは応えます。
亡命政府は我々に問いかけているんだ
チェコソロバキアは-
ナチス・ドイツに抵抗する意思があるかと
抵抗組織はこの作戦に全面的に協力することになります。
ヨゼフとヤンはアパートの1室のある家庭に匿われます。
主婦のモラヴェツ、連絡係のバイオリン奏者を目指す息子のアタ。そしてお手伝いの娘マリー。
ヨゼフがマリーに頼みます。
連れがいた方が目立たない
占領下で愛を育む若者を演じるのさ
マリーがヨゼフにハイスキーの連絡役のレンカを紹介します。
アパートに武器か届けられました。
英国製ステン短機関銃
73対戦車用の手投げ弾
欲しがってた情報も手に入ったボディチコバ通りのカフェで火曜の2時に会議だ
ヨゼフとレンカ
ヤンとマリー
がプラハの街を歩いてカフェに向かいます。
占領下の人々とナチスの兵隊
まだプラハの街は静けさを保っていました。
カフェではヨゼフやヤンと一緒に特殊訓練を受けた仲間が待っていました。
そして会議でハイドリヒの情報がもたさられます。
ハイスキーが話します。
邸宅も城も警備が厳重で狙うのは不可能だ
実は教え子の中で城で修理工として働いている男がいる 協力は頼めるが
わかるのは奴の出退勤の時間だけだ
この情報で奴の習慣がつかめる
仲間を守るために接点を断ち切らねばならない
ロンドンより青酸カリが届いた
これを常に携帯しろ
それからヨゼフとヤンはハイドリヒの邸宅から城までの経路を調べます。
レンカを立たせ経路の街の写真を撮ります。
そして街のある曲がり角が車の速度が落ちる最善の射殺ポイントだということをつきとめます。
ヨゼフは焼きまししたレンカの写った写真を財布にしまうのでした。
ハイスキーと連絡を取りアパートに帰ると、ヤンとマリーがベットをともにしていました。
レンカは蓄音機のレコードの針を戻し手を差し出します。ヨゼフとダンスを踊りました。
再びカフェで会議が開かれました。
ヨゼフとヤンは暗殺ポイントを説明します。
しかし抵抗組織のヴァネックは反対し、ロンドンに再検討を求めることになります。
それからアタの誕生日が訪れ、皆でケーキを囲みました。ヤンはマリーが結婚の申し込みを受けてくれたことを打ち明けます。
アタがロンドンからの伝言の紙を届けます。すぐ暗号を解読しました。
エンスラポイド作戦は決行 最重要指令
しかし問題が発生します。ハイドリヒがパリへ赴任するため明後日にはプラハを発つというのです。
ヨゼフはハイドリヒが発つ前の明日決行すべきと主張します。
しかしヴァネックは作戦中止の伝言が届いたと紙を見せます。
恐ろしいのは、チェコが地図からなくなることだと。
ハイスキーはそれは直接指令ではないとし、ヨゼフは明日作戦を決行することに決めます。
ハイスキーが呟きます。
神のご加護を
朝が来ました。
ヤンは自分で彫った小さな木彫りの像をモラヴェツおばさんに渡します。朝食中の息子アタが見守ります。
アパートの前に、レンカがやって来ました。
今日なの?
ヨゼフとレンカは抱き合いキスを交わします。
2人は暗殺ポイントに自転車で向かいました。
仲間が集まります。しかしチュルダだけは現れません。
ハイドリヒの車の到着予定時間の9時30分までまだ時間がありました。
各自持ち場でハイドリヒの来るのを待ちます。
ヨゼフもベンチに座りコートに隠して短機関銃を組み立てます。
ヤンが腕時計を見ます。オパルカも腕時計を見ます。
路面電車の陰からハイドリヒの乗った車が現れました。
合図の鏡が光ります。護衛がいません。
オパルカが車の前を横切り速度を落とさせます。
ヨゼフが車の前に立ち、短機関銃をハイドリヒに向けます。しかし銃が上手く動きません。
ハイドリヒは立ち上がりピストルをヨゼフに向けます。とっさにヤンが手投げ弾を車に投げ爆発します。
ヤンはすぐに自転車で逃げます。
ヨゼフも爆発で倒れますが、立ち上がり電信柱に隠れ、ハイドリヒの弾を避けながら、最後にハイドリヒに向けてピストルを発砲します。
やがてハイドリヒは崩れて車の椅子に座り込みます。
運転手のナチス兵がヨゼフを追います。ヨゼフは店に逃げ込み、追って来たナチス兵の脚に弾を当てます。
その隙に路面電車に飛び乗ることができました。
アパートに戻るとヤンが手当てを受けていました。ヨゼフは謝ります。
撃ち損ねた すまない
ラジオをつけると非常事態宣言と外出禁止令が出されていました。本件情報提供者には10000万コルナの報奨金、犯人に手を貸した者とその家族は全員射殺されると。
ナチスは東部戦線以上に物々しい警戒態勢を敷き、人質の数も数千人
パラシュート隊員は大聖堂に匿われることになりました。
しばらくするとマリーが泣いて部屋に入って来ました。レンカがナチス兵に銃で撃たれ死んだのです。
ハイスキーの手配で大聖堂に隠れます。大聖堂には地下に納骨堂があり7人のパラシュート隊員が身を隠しました。
見張りは3人交代で行うことにしました。
やがてペトレク神父がハイドリヒが死亡したことを伝えます。と同時にドイツ軍がシュディヒ村へ行き16歳以上の男を全員射殺し村が消されたと。
そして情報提供者とその家族には完全恩赦を与える。しかし期限は5日間、その後にチェコ人3万人を処刑すると。
ヤンはヨゼフと一緒にハイドリヒを殺したと伝え自決し阻止すると言い出しました。
しかしオパルカが反論します。
軍人ならば生きて戦い続ける義務がある
ペトレク神父が諭すように言いました。
君たちに罪はない
罪人は他にいる
いずれ審判が下されるはずだ
しかしチェルダがナチスに密告してしまうのです。
すぐにモラヴェツおばさんのアパートにナチスがやって来ました。モラヴェツおばさんは青酸カリを飲み自殺します。
息子のアテは拷問にかけられてしまいます。
バイオリン奏者だと指をハンマーで叩かれます。ついに大聖堂に匿われていると白状してしまいます。
すぐに大聖堂はナチス軍に囲まれます。
見張りをしていたヤンたち3人とナチス兵との銃撃戦になりました。
激しく抵抗するもののオパルカが自決します。
そして残りのヤンとブブリークも撃たれてしまいます。
チェルダが3人の死体を検分させられ他にも仲間が残っていることがわかります。
地下室のヨゼフたちも見つかってしまいます。
チェルダが命令され投降を呼びかけます。
しかしヨゼフは叫びます。
俺たちはチェコ人だ
絶対に屈しない
その頃ハイスキーはナチスが捜索に来る寸前に青酸カリを飲み自殺します。
大聖堂では機関銃による攻撃が始まりました。
ヨゼフは皆に言います。
1発残せ 自分用に
そしてホースにより水が地下室に注ぎ込まれます。
水が徐々に溜まり始めます。
下水道へ逃げようと壁も掘り始めました。
しかし地下室の扉を爆破され、ナチス兵が突入して来て爆弾を投げ込まれてしまいます。
水も身体の半分以上まで増して来ました。
ヨゼフたちは残りの1発を込めた銃を自らの頭に突きつけます。
ヨゼフにはレンカが手を差し出す光景が見えました。
それぞれが残り1発を撃ちました。
7名のパラシュート隊員は6時間教会に立てこもりました。
ハイドリヒ暗殺の報復として推定5000人が殺害されました。
市民に対するナチスの壮絶な報復を受け
英首相のチャーチルはミュンヘン協定の無効を宣言
自由のために戦ったチェコを重要な同盟国等に認めた
このハイドリヒ暗殺によって多くの人たちが報復のため殺害されました。もしこの作戦が実行されなければ尊い命が失われずに済んだのでしょうか?
この作戦は本当に正しかったのでしょうか?
誰にも答えはわからないと思います。
とても重厚な映画でした。
もう朝になってしまいました。
今日はいい天気なのでシーとまたセブンまでお散歩します。
シーはお散歩大好きなんです。
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